玄制流には特徴ある技法をより集中的に演練することを目的として創作された練習法として「基本業技」と称する体系がある。
四方突き、四方突き蹴り・四方抜き・八方抜きがそれであり、更にこれらの技を組み込んで筆者が研究し、創作した約束組手・護身術がある。
これらは純粋に武術として生死を分ける戦いの技法として研究されたのである。その意味では、現在の全空連ルールの中でどれだけ実用化できるかは疑問であろう。
しかし、空手道が武術であるという原点に想いをいたすとき、常に言われるのは、その優れた運動合理性のゆえに現在のスポーツとしての、また社会体育、ひいてはその精神性の高さによる、社会教育の一環としての位置づけが確立されているが、武術としての原点を見定め、指導者育成と飽くなき技術の探究、そして肉体の限界を目指しての練磨はどうしても必要であり、この努力の継続がやがて高度な文化へと昇華されていくものと信じている。
1984年、玄制流を後世に正しく伝承するため、世界で玄制流を修業する人たちの明確な指針となるべく、祝嶺氏の監修により「玄制流空手道教範」を著作した土佐邦彦氏。