日本空手道玄制流武徳会 北原支部

厳しくも暖かい道場がここ北原にあった。東京都練馬区に位置する北原小学校の体育館を舞台に、意地とプライドを懸けた北原支部の挑戦。今日も子供たちの気合いが体育館に響き渡る。

集合写真
道場生/瀬尾智之、西村涼、山岡浩樹、森天孝、安斉晃、大沢旭、笹真太郎、平井恒輝、土屋翔誠、大塚拓巳、平井誠矢、瀬尾拓実、大沢亜聖、土屋遼将、吉岡瑞輝、望月陽人、和田実樹、小林美好、八鍬由佳、望月美優、小林笑花、山本佳依、山原和、小林凛玖、瀬尾功輝

支部長写真
福井龍也(ふくい・たつや)
1952年2月15日生まれ。31歳の時に本格的に空手道を始め、34歳の時に日本空手道玄制流武徳会に入門。1991年に武徳会の正式な支部となり、現在は武徳会の理事を務める。

コーチ陣写真
指導員は、瀬竜一先生・高瀬由夏先生・笹有紀子先生・福井彩先生・三井弘一先生・西村賢一先生の6人。

北原の地に根づいて

 福井龍也先生がここ北原において道場を始めたのは、今から18年前。当時は、12〜13人からのスタートだった。そして平成3年、玄制流武徳会の正式な支部として新たなスタートを切った。

 現在は約30名の子供たちと、福井先生の娘である元ナショナルチームの高瀬由夏(旧姓:福井由夏)先生を始めとした6名の有力な指導員が顔を揃える。

 練習は、毎週火・土曜日の18時〜20時半までの2時間半。また、第2・4木曜日は玄制流武徳会の会長宗家である土佐邦彦師範と土佐樹誉彦先生が指導に来てくれるのだという。練習メニューは、基本・形・組手を満遍なく行い、組手練習に関しては、サンドバッグやミットを使った打ち込み練習などもみっちり行っている。

自負するプライド

 そんな北原支部、「うちはおそらく日本で何番目かに厳しい道場です」と福井先生が自ら言ってしまうほどの厳しさ。その言葉通り、生徒が泣こうものなら怒鳴る怒鳴る…。しかし、そこには福井先生の考えが隠されていた。「試合中に泣いても、コートに立っている限り誰も助けてはくれません。だからここでは泣くことは絶対に許しませんし、怒ります」と強く語る。子供たちを思ってこその、愛情からくる叱咤なのだ。だから、我が子が怒鳴られているのを目の当たりにしている父兄も「子供たちのことを一番に考えてくれているのが伝わってくるので先生を信じてお任せしています。怖いけど優しいんですよ(笑)」と口を揃える。

 福井先生が、子供たちを指導する上で一番大事にしていることは『プライド』。「子供は全員プライドを持っています。そのプライドを傷つけるようなことは絶対にしてはいけない。“子供だからできない”というのは、私は逆だと思っています。子供は必ずできる!」と、最初は泣いてばかりいた子供たちも今では、「泣いてるのかぁ!」と先生に怒鳴られても「泣いてません!」「汗です!」と言い返してしまうほど強く逞しく、日々空手の稽古に励んでいる。

写真1
小さい子も絶対泣かずに一生懸命!

写真2
組手の練習もみっちりと。

写真3
必殺! エビ蹴り!!

写真4
男の子顔負けの技を繰り出す女の子もいます。

写真5
サンドバッグ、ミット…etc、さまざまな練習法が盛り沢山。

写真6
柔軟体操もしっかりね!

勝ったら子供、負けたら指導者

「勝ったら子供たちのおかげ、負けたら全責任は指導者である私にあります」と、子供たちが試合に勝った時は、教えた以上の力を発揮したから勝てたのだと、心の底から褒め称える。怒る時も本気、褒める時も本気。これが福井流なのだ。子供たちに対する、1回1回の指導に重みが感じられる。

 8月に開催された全日本少年少女大会には、土屋翔馬くんと瀬尾拓実くん(先月号のGo!Go!キッズに登場)が初出場を果たすなど、これからの活躍がとても楽しみな道場である。

 厳しい中にも愛情溢れる指導者と、父兄からの絶大なる協力を得て頑張る子供たち。今後の北原支部に目が離せない!

写真7
8月に開催された全少に組手の部で出場した、土屋翔誠くんと瀬尾拓実くん。

写真8
サポート体制万全な父兄の方々。

日本空手道玄制流武徳会 北原支部
〒177-0032 東京都練馬区谷原4-9-1
北原小学校体育館
Tel:048-482-2091